最近、ダイハツがあの「スーパーラップ」っぽい鉄チンホイールを新車のオプションで選べるようにしたと話題だ。
これには思わず「マジかよ!」と声が出た。
鉄チンと言えば、昔は「安いから仕方なく履くもの」だった。
それが今やオシャレ扱い? どういうことだ。
そう考えて調べてみると、なるほど納得。俺たち旧車好きにとって、鉄チンには味がある。だが、ここにきて若いヤツらが「ヴィンテージ感がいい!」とか言い出してるらしい。
昭和のクルマ文化を知る俺たちからすると、これは面白い流れだ。
今回は、そんな鉄チンホイールの魅力を改めて掘り下げてみる。バイク乗りにも通じる話だから、最後まで付き合ってくれよな。
昭和の鉄チン、地味でダサいと言われた時代

こーんな感じで選べてしまう
そもそも鉄チンとは何なのか?
これは読んで字のごとく「鉄(スチール)製のホイール」のことだ。昔はアルミホイールなんて高級品だったから、庶民のクルマはほぼ鉄チンだった。
でも、見た目が地味で無骨。クルマ好きの間では「ホイールキャップを付けてなんとか誤魔化す」か、「金が貯まったらアルミに交換するか」の二択だった。
ところが、不良たちはこれを逆手に取った。
「どうせダサいなら、とことんダサくしてやれ」とばかりに、キャップを外して剥き出しにしたり、鉄チンを黒く塗ったり。中には無理やり深リム化する猛者もいた。
鉄チンのダサさを個性に変える——まさにヤンキー文化の真髄だったわけだ。
なぜ今、鉄チンがオシャレになったのか?
そんな鉄チンが今や「レトロでカッコいい」とか言われる時代になった。
理由は簡単で、最近のクルマはどれも同じようなデザインになってきたからだろう。
ピカピカのアルミホイールよりも、鉄チンの無骨な感じが「味」として評価されているらしい。まるで昭和の街道レーサーが現代のオシャレピープルにリスペクトされているかのような現象だ。
「いやいや、お前ら昔はバカにしてたじゃねえか!」とツッコミたくもなるが、こうして価値が再発見されるのは悪くない。
鉄チンはバイク乗りにも刺さる

カワサキメグロのレトロ感もホイールに因るところが大きい
クルマだけじゃない。実は鉄チン文化はバイク乗りにも関係してくる。
たとえば、バイクのホイールも昔はスポークが主流だった。ところが、80年代後半からはキャストホイール(アルミ合金製)が増え、スポークホイールは「古臭い」とされるようになった。
だが、最近ではスポークホイールのレトロな見た目が再評価されている。オフ車やカフェレーサー、さらには旧車會のバイクでも、スポークホイールを好むヤツが増えている。
つまり、バイクもクルマも「昔のシンプルなデザインが逆にカッコいい」という流れになっているわけだ。
鉄チンとスポーク、素材は違えど「シンプルな無骨さが時代を超えて支持される」という共通点がある。
鉄チンカスタム、どう遊ぶ?
さて、ここまで読んで「鉄チンいいじゃん」と思ったヤツもいるだろう。ならば、どうカスタムして遊ぶか考えよう。
- キャップを外す
鉄チンの基本カスタム。ホイールキャップを外して、素のスチールをむき出しにするだけ。シンプルながら、これだけでグッと無骨さが増す。 - 塗装する
黒鉄チンは定番。オールブラックで決めると渋いし、ホワイトリボンタイヤと合わせるとクラシックな雰囲気が出る。 - 深リム化(リバレル)
リムを加工して奥行きを出すカスタム。やるなら自己責任だが、迫力が増してカッコいい。バイクのホイールで言えば、ディープリム化したスポークホイールみたいな感じだ。 - レストアして味を出す
あえてサビを活かして「ヤレ感」を演出するのもアリ。ビンテージ感を強調するなら、ツヤ消し仕上げやパウダーコートもいい。
まとめ:鉄チンはただの安物じゃない
昔は「安くてダサい」と言われた鉄チンホイール。だが、時代が変われば価値観も変わる。今では「無骨でカッコいい」「レトロな味がある」と評価されるようになった。
バイクもクルマも、結局は「シンプルなものが一番カッコいい」という結論に戻ってくるのかもしれない。もし鉄チンに興味を持ったら、ぜひ自分のスタイルに合わせてカスタムしてみてほしい。
令和のヤンキーや旧車會が鉄チンをどう乗りこなしていくのか──これからが楽しみだ。