『Chance!!(チャンス)』という雑誌を知っているだろうか?
ご存じだという方は、なかなかに過酷な人生を歩んでこられたと想像が付きます。
なぜなら、この『Chance!!(チャンス)』という雑誌は、受刑者のための求人誌だからだ。
2018年の3月に創刊した『Chance!!(チャンス)』は、年に4回、全国の刑務所・少年院に置かれる。最新号では25社が求人情報を掲載。過去3年間で、108名が社会復帰するための第一歩を得ることができたという。
最も多い職種は建設現場の作業員。次いでドライバーや介護職など体力を要する業種、人手が足りない業種が多いようだ。
求人情報があった会社以外への就職や、社会復帰への不安を相談する手紙も年間約1000通にのぼるという。
求人情報の出稿依頼や相談への対応、実際に就職が決まった受刑者の動向確認などを、無償で行っているのが株式会社ヒューマン・コメディ代表でもある三宅昌子さんという女性。
この方の活動内容などは以下の記事に詳しいので、ぜひご一読いただきたい。
ご本人自身も過去、非行に走った経歴があり、そうした経験が、犯罪者の自立支援を始めたきっかけになっているという。
本当に頭の下がる、尊い活動をされているのだが、こうした活動が尊いと感じさせるくらい、世間の風は冷たい。
犯罪を犯した人間よりも被害者の救済が先、というのが最近のネット界隈での風潮だ。
ただ、そこには救済の方法や、犯罪に至る経緯について語られているものは少ない。
「衣食足りて礼節を知る」ということわざがあるように、罪を償うにしても最低限の生活が送れないことにはどうしようもない。
i-Q JAPANの記事を読まれている方のなかにも、過去に法で定められた範囲外の行動をしたことで刑罰を処された方はおられるだろう。
そのなかで、同じような境遇の後進に遭遇した場合にどういった対応をとるか。
情けは人のためならず、どうか寄り添ってあげていただきたい。
結果的には業界全体の地位向上にもつながる話なのだが、そこまで大局的な考えでなくていい。人助けって気持ちいいじゃん? くらいのノリでもいい。共通の視点を持っている方の言葉は、本人が考える以上の説得力があるもの。
ときに刑罰よりも、人の温もりが再犯への抑止力になることがある。それをご存じの方は、多いのではないだろうか。
参照元:週刊女性PRIME
執筆者:i-Q JAPAN編集部