ホンダ最後の空冷スポーツとしても知られるCBR400F。耐久レースで活躍した名車は旧車ファンにも高い人気を誇るが、チューンナップされた旧車の多くはド派手に仕上げたものが他の車種よりも多いように思える。
フロントカウルをブチ上げ、1メートル級の長めの三段シートなどで派手に飾られたスタイルのものも確かに素晴らしいが……ややもすれば“やりすぎ”に見えてしまうことも。
ただ、一方で純正スタイルを貫くとCBR400Fはフロント部分がやや寂しいため、少々地味になりがち。よりレーシースタイルなフルカウル仕様もあるにはあるが、旧車乗りとしてはちょっとテイストが異なってしまう。
族車風なチューンナップしたらやりすぎてしまうし、純正に寄せると地味すぎる……そんなCBR400Fをヤンキー親父はクールに仕上げている。
「ナックルライン」にオーダーして仕上げたカラーリングは純正風に。ホワイトとブルーのラインは純正とは異なり、稲妻型にして入れたところがオンリーワンな個性を演出している。
純正のままだとフロント部分が寂しくなりがちなCBR400Fにはロケットカウルがベストマッチ。高く掲げ過ぎず適正な位置にしたことでバランスの良さを保っている。風防もボディカラーに合わせてレッドをチョイスしたところもポイント。
マフラーには根強いファンが多いRPM管を選択。歴史のあるRPMのロゴとP管サウンドと呼ばれるやや低めなマフラー音は聴く者の心にズシンと響く。そしてサイドカバーには当時モノのBEETアルフィンを選んでいる。
テールカウルはBEETテールにして他の部分と調和させるとともにシートは大川製の60センチ三段シートを装着。後ろにはスピーカーも3連で備わっているタイプなので走行時には爆音を轟かせるぞ!
運転しやすさを重視してか、ハンドルはシボらず、アップハンを選択。ポイントはメーター上のスピーカーとナビゲーションのモニター。スマホホルダーを付けがちなこの部分にあえてレトロなモニターを置くところがシブい!
ヤンキー親父のCBR400Fはロケットカウルや三段シートなど族車には欠かせないオーソドックスなチューンを施しているが、ついついやり過ぎてしまったり、純正に寄せ過ぎて地味になってしまったりすることが多いCBR400Fのチューンとしては絶妙なラインを突いてオンリーワンの個性を演出しているように思う。
CBR400Fユーザーにはお手本にしたいチューンと言えるだろう。