いわゆる「モノトーン」とは、コントラストだけで世界観を演出する手法で、何物にも染まらない黒と、何色にもなれる白とのバランスが重要だ。
こちらのGSは、そうした世界観をベースにしたカラーリングで、ただ実際にはゴールドやシルバーが随所に組み込まれてはいるが、その配合具合が絶妙で、トータルバランスにも長けている。
ベースはGSならではのE2ライン。縁どりの内外にボカシが加えれているが、ここにほんのりとゴールドが加えてあることでライン自体に立体感が生まれている。
よく見ると縁どりの内側はレインボーのラメが噴いてあるので、旧車會らしいギラギラ感も感じさせる。
これはフルカウルだけではなく、タンクやサイドのアルフィンカバーも同様で、そのため特にサイドカバーは浮き上がって見えるような立体感を感じさせる。モノトーンにリスバーが入っていても違和感を感じないのは、エンジンやハンドル回りに多くのアルミやメッキのパーツが取り入れれているためだ。
そしてフレームやマフラーは黒。特にフレームを黒にすることで、全体的な重厚感が生まれているのだが、特筆すべきはホイールのリムを黒にすることでこの重厚感が増幅されている点。
純正の星キャスやセブンスターなどのキャストホイールではなく、敢えてのスポークホイールを採用することで、全体のバランスのよさが浮き彫りになっている。
そしてトドメはリアサスのマルゾッキ。ここに赤の差し色があるかないかで、全体の受ける印象が大きく変わってきてしまう。
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