色んな意味で衝撃的な開会式から、様々な不可解判定で物議を醸しまくっていたフランスのパリ五輪。スポーツに関してはアジア人に対して差別的な印象を強めてしまったフランスだが、文化面に関しては親日傾向にあるといわれている。
そのフランスで、日本の「ヤンキー」「暴走族」が注目されているという。
実はフランスの日本文化への傾倒は江戸時代にまで遡る。
浮世絵は“絵”といいながら、その多くが版画。人気の絵師の作品は、現在でいうところのブロマイドやアクリルスタンドのような形で販売されていた。
そのため絵に複雑な陰影がつけられず、さらに色味や色数も限られていたので複雑な表現はできなかったのだが、これが油絵中心のヨーロッパでは「こんな表現方法もあるのか!」と、驚きを以って受け入れられた。今でもヨーロッパには浮世絵コレクターがいるのはそのためだ。
▲フランスの世界的ブランド、サンローランのPVにも旧車が登場していた
関係値を紹介するうえで『浮世絵』が欠かせないものであるのは確かだが、現代に至って日本の絵画やアートが注目を集めるきっかけになったのが日本製の『アニメ』そして『マンガ』。
その歴史は意外と古く、アニメでは70年代に放映された『UFOロボ グレンダイザー(仏題:ゴルドラック)』が70%超えという驚異的な視聴率を集めた。その人気はすさまじく、バカンスの季節にビーチから人影が消えたと言われるほどだった。
そこから日本のアニメが有名になり、『ドラゴンボール』や『ワンピース』、『ポケモン』にジブリ作品などは今や世界各地で人気となっており、日本文化を伝えるイベント「Japan Expo」なども定期的に開催されているほどだ。
▲グッチの広告にも三段シート付の旧車が使用されたことがあった
そんなバックボーンがあったうえで、日本のヤンキーや暴走族のスタイルが今、フランスでもクールなジャパニーズスタイルとして評価が高まっているという。
きっかけは『東京卍リベンジャーズ』。作品自体の面白さが伝わるにつれ、登場人物のファッションにも注目が集まった結果としてヤンキー文化、暴走族文化にも注目が集まっているのだとか。実際、2022年に開催された「Japan Expo」でも『東京卍リベンジャーズ』のコスプレをしたフランス人が多数詰めかけたそうだ。
どちらかというと現地のギャングスタではなく海外文化にも興味を持つような意識の高いオシャレ層に受けているようだが、日本ではとかく「ダサい」だの「昭和のセンス」などと陰口を叩かれがちな様式美の世界観が、フランスでは「Furyo」「Yankii」(Yankeeとは表記しないそうだ)という“全く新しいファッション”として受け入れられている。
他の国にはない独創的なフォルムであったり、特攻服には彼らが好む漢字が多数使用されていたりと、ファッショニスタから注目される要素は少なからず持ち合わせていた。
こうした文化がもう少し早く、そして深く浸透していればオリンピックのメダル獲得数もまた違った結果になっていたかもしれない!?
参照元:Wanibooks