「CB」の型式はホンダにとっての保守本流。いつの時代もホンダの“顔”を担っている。それ故に失敗が許されない車種といってもいいだろう。
ところが、失敗……とまでは言わなくとも積極的な高評価を得られなかったタイプもある。発売当初のホークはまさにそれで、「おっさん臭い」「中庸」「耕運機」など、さんざんな言われようだった。
もちろん、その後のマイナーチェンジと暴走族からの圧倒的な支持を得て5年近く販売されたロングセラーになるのだが、そうはならなかったバイクも存在する。それがCB350だ。
CBサンハン、もしくはサンゴーと呼ばれたこのCB350は、まだ排気量での区分がなされていない時代だったこともあって、ナナハンは必要としていないユーザーの“フォローアップ”的な側面もあるバイクだった。
そのため、作り手側の「無理に攻めた作りにするより標準的なバイクのほうがいいんじゃね?」感がユーザーにも伝わったのだろう。欠点はないけどセールスポイントもないバイク、という受け止められ方をして、セールス的にはかなり苦戦した。
しかも、バブのようにマイナーチェンジでなんとか支持を得ようという気概もなく、すぐにCB400Fourという新型に移行したため、正に「時代のあだ花」的な存在になってしまった。
しかし、当時の不人気車がタマの少なさから希少価値が上がり、プレミアが付くという旧車業界特有の現象が、このサンハンにも起こりつつある。
ひと頃はヨンフォアの外装やパーツが乗せやすいことから“バケヨン”(ヨンフォアに化けたサンハン)としての需要はあったが、そのままのサンハンはむしろ貴重という風潮ができつつある。
こちらのサンハンは、まさに当時の姿をほぼ残した状態で改造がなされた、希少なバイク。「350Four」のエンブレムが入ったサイドカバーも、これだけで価値がある。
カラーリングこそヨンフォア純正風のソリッドイエローだが、デザインは当時のオリジナルスタイル。サンハンを象徴する、当時としては珍しい倒立フォークもそのまま残されている。
風防の曲げ方やバランスの良さは、往時を知る人のそれ。垂れのヨレ具合にも年季を感じる。ライトをマーシャルのフォグに換装して外装とのバランスをとっているのもポイントだ。
さらにマフラーは4-1の集合管。コールを必要としていなければ、むしろ往年の雰囲気を伝えるチョイスとなる。エキパイのヤレ具合からすると、あえてのチョイスというよりずっと使っている相棒なのだろう。
最近、新型のCB350が登場したことで再評価の機運もまた高まるはず。先代のサンハンはこんなにかっこよかったのだと、令和のライダーにも示せる一台だ。
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執筆者:i-Q JAPAN編集部