旧車會で用いられているバイクのなかではCBXの高騰が話題になっているが、以前からそのCBXよりも高値で取引されているのが、カワサキのZ400FX、通称フェックス。CBXを中古車購入する際の価格は現状だと200万円スタートくらいだろうが、FXは350万円スタートくらいだろうか。車両価格は上昇する一方だ。
ヨンフォアと並んで、国内400㏄バイクのなかでは最もプレミアが付いているバイク。そのFXを揃って所有し、そして同時期にフルレストアした兄弟がいた!
レストアにかかった費用は2台で800万円オーバー。車両代金も当時とはケタ違いなので、資産価値としては2台で1000万円を余裕で超えるはずだ。
そういった点を考慮してオーナーさんのお名前などは控えさせていただくが、お二人はリアルでご兄弟。右のグランプリ仕様がお兄さんの、左のタイガーが弟さんのFX(写真は息子さんが代理)。
レストアするつもりでフレームからエンジンやパーツを外したまま放置していたものを、一念発起。どうせならキッチリカスタムしようということで、京都のショップ・テクニカルサービス本多に持ち込んだのだという。
グランプリ・スペシャル仕様のFXは、外装やシリンダー部分のカラーリングも忠実に再現。ビキニカウルも装着して、見た目的には純正とも遜色ない仕上がりだ。
コクピットを覗くとアルミのトップブリッジを取り付けて、トマゼリのセパハンを装着。メーターもリメイクして新品同様の輝きを放っている。
エンジン回りはすべてパウダーコートなどで再塗装してピカピカに。FCRのキャブはレスポンスも良く、直線での伸びも違うのだそう。
そしてマフラーはテクニカルサービス本多のオリジナル、ヤマト管を左出しで装着している。焼けたマフラーの虹色も美しい。
そしてこちらは弟さんのタイガーカラー。純正ラインをモノクロで描いた。BEETのアルフィンカバーには、純正サイドカバーから「FX」のエンブレムを転装。ハンドルは流行を取り入れたアキラハン、ステップはBEETのプロポジションを装着と、随所に洒落たパーツを取り入れている。
なかでも目を引くのが、前後のキャストホイール。GPz400Fの純正ホイールにも似たところはあるが、こちらはBEETのキャストホイールで、おそらく100万円は下らないレアなアイテムだ。
そしてポイントカバーはBEETだが、ジェネレーターカバーはバレル研磨されたもので、メッキとも違う輝きを放っている。
どちらのバイクも、丹精込めいて仕上げられているのがわかる。今、お宝といわれるFXだが、その価値観をさらに印象付けるようなバイクが兄弟車として並んでいるということが、ほとんど奇跡のようなものだろう。
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執筆者:i-Q JAPAN編集部