“大人な仕様”という言い方はよく聞くし、このサイトでも度々使われている言い回しだが、では“大人な仕様”とはどんな仕様なんだろうか?
まず思いつくのが、主張しすぎないこと。ハンドルや三段シート、マフラーなどパーツのひとつが極端に主張していたり、ショッキングなカラーリングで塗装して存在感を主張していたりするバイクは、“大人な仕様”という言い方はされない。むしろ“元気がいい”または“存在感がある”といった表現になるだろう。
そして本人なりのポイントがある点も挙げられるだろうか。オーソドックスなスタイルを理解した上で、たとえ不正解でもここは譲れないというポイントがあると、あぁ~大人だなぁ~!と感じることがある。
それでは、こちらのGT380はいかがだろうか。
外装ペイントのモチーフとなったファイヤーパターンは決して大人しいデザインではないが、その色遣いは斬新かつ巧妙。ガンメタをベースにグラデーションが入ったグレーのファイヤーは、ほぼモノトーンで構成されたシックなスタイル。これぞ大人なファイヤーパターンといえる。
そしてこだわりのポイントと思われるのが“横幅”。左右の幅をギリギリまで抑え込んでいるのだ。
もっとも幅を取っているのがカウルに装着させたバックミラー。このミラーが通過できれば車体は通り抜けられる。
横幅を出さないための措置として、フロントウィンカーはブンチンステーを使ってフルカウルの内側にセット。マフラーもスリムなロング管を装着して横幅を抑えている。
実際には乗った人間の脚部の幅もあるが、それでもカウルから外側にサンパチウインカーを出すなどするよりも確実に左右幅は抑えられる。こうした措置は、神奈川方面特有の「すり抜け文化」と無関係ではないだろう。
元々、ハンドルの絞りなども渋滞の車両の間をすり抜けられるようにと編み出されたテクニック。旧車會バイクだから実際は警察に追われて渋滞の間をすり抜ける必要はないのだが、旧車會の成り立ちを考えれば、こうしたカスタムも意味があるのが分かる。
決して派手なだけでも地味なだけでもない、意味のあるカスタムをほどこしたこのサンパチは、間違いなく“大人な仕様”といえそうだ。
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執筆者:i-Q JAPAN編集部