編集部に一通のメールが届いた。
すげぇ長いし誤字脱字ばっかりだし、敬語もちゃんとしてないしで、とても表に出せるたぐいのモノじゃないから原文は公開しないけど、とにかく編集部に入りたい、という内容だ。
熱意は買う。ありがたいと思う。だけど、その熱意と引き換えに露見させた文章力の圧倒的な欠如は、正直、如何ともしがたいレベル。お荷物になることウケアイ! なので、なんとか彼にはお引き取りいただくよう、様々な努力を重ねたのである。
とりあえず、欠員が出たら連絡します、といっても全く引かない。
「それだと、拙者今の仕事病められないんで何とかしてください」
とか。うちのSNS部長の言葉を借りれば「知らんがな!」である。や、「知らんわ!」かな。あれ? どっちだろ? ……いや、そこはどうでもいい。どっちかというと、「辞める」が「病める」になってることの方が問題。いや、大問題だよこんなの。おそらくスマホの自動変換だとは思うんだけど、普段どんだけ「病み」って使ってるんだ、って話なのである。
とにかく、一事が万事この調子だから、まったくラチが開かない。しょうがないから一度電話を入れる。厳密には「時間が空いたときで構わないので電話してください」ってメールしたら、「拙者、最低料金のプランなんで、もう通話する余裕がないんづえぇ」って返ってきた! だから、オマエの都合は知らねえし!!!!!!! それに「づえぇ」ってなんだよ!!
キーーーーーーーーーッ!!!!!!
完全に放置してもいいんだけど、どうせまた面倒くさい展開になるのは目に見えている。電話で説得するつもりだったが、東武線沿線に住んでいるから北千住だったら行ってもいいそうだ。だから、行ってもいいってのはどういう了見なんだよ!
ということで、13時に北千住のマルイ前で待ち合わせ。……したのだが……一向に来る気配がない!! 15分待ったところで電話する。なぜか電話どころか、メールすら来ないからだ。
「内田クン? 今日会う日だよね?」
「そうですけど、3時ですよね?」
「へ? 13時なんだけど」
「あ、それかぁ~! 拙者の家系、みんな24時間制を採用していないから間違ってしまった可能性はゼロじゃないですね」
ちーがーうだろーーーーーーーーーーーーーーーー、この、ハゲーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!