週末の天気の良い日によく見かける、イカしたバイク乗りの集団をみたことがあるだろうか。
彼らは『旧車會(きゅうしゃかい)』と呼ばれる主に過去に暴走族だった人達、もしくはバイク好きが集まった集団だ。
所属しているのは、昔暴走族だった人や改造バイクに憧れていた人、大人になってから改造バイクに出会ってしまった人などさまざま。
旧車會は、ぱっと見暴走族と同じように見えてしまうかもしれない。
警視庁などでは、暴走族と、旧車會を同じような位置づけをしている。
だが、両車を「同じ」とくくるのはいささか、疑問でもある。「粋」じゃない。
彼らは立派な大人。社会のルールは守っている。
暴走族と旧車會の一番の違いが、この点。
暴走族とは違い、旧車會は運転免許を取得し、ヘルメットをかぶり、信号を守る。
若かった時とは違い、今は純粋に走りや音、改造を楽しんでいる大人といってよい。
なかなか近寄りがたい彼ら旧車會には、独特の魅力があるのもまた事実。
そこで、今回は彼らの魅力が丸々わかる、12の疑問を解き明かしていきたい。
これを読めば旧車會の魅力を知ることができる。
目次
そもそも旧車會ってなに?
旧車會と聞いて一番先に思い浮かぶものはなんだろうか。
クラシックなスタイルのバイクや車などで走りを楽しむ集団。そんなところではなかろうか。
その想像も、大筋ではあっている。旧車會も、現代の新しいバイクではなく、比較的古い当時人気だったバイクに乗っていることが多い。
だが、違う部分もある。
旧車會の場合は、暴走族OBが多いということ。そして、バイクのカスタムも暴走族仕様が多い。
もちろん、暴走族になった事はないが、族車が好きだから旧車會に入ったというツワモノも居るはずで、こういったスタイルのカスタムをほどこしたバイクが好きな人たちの集団といってよさそうだ。
なかには、ただ歳を取っただけの危ない元暴走族も紛れ込んでいるらしいが、大半は気のイイ大人のバイク遊びといった感じだ。
現在はSNSなどで情報を共有し、週末になると現地に集合して走りなどを楽しむ。
基本的には交通ルールをしっかり守って、周囲に迷惑をかけずに活動している。
また、仕事や家庭を持っている人が多く、平日の夜でも走り回っている暴走族とは違い、週末の日中だけなど、大人のレクリエーションという位置づけと考えて良いだろう。
ちなみにWikipediaに旧車會はこう記されていた。
旧車會(きゅうしゃかい)とは、旧車と呼ばれる古いオートバイを入手して昔の暴走族を模した改造を施し、コールと呼ばれるエンジンを高回転でリズミカルに空ぶかしさせる行為や、ミュージックホーンと呼ばれるラッパを鳴らしながら集団走行などを行う団体。
引用元:旧車會 - Wikipedia
どうして旧車会ではなく"旧車會”なの?
ここまで旧車會という集団を説明したが、それは今の形になってからの、活動の部分。どうして旧車会ではなく"旧車會"と呼ばれるようになったのか、その歴史について触れていこう。
旧車會は、2000年前後辺りから増えてきたとされている。
旧車趣味の「旧車会」は、それ以前にも存在したが、棲み分けが進んだのは、チャンプロード誌の増刊号『我ら旧車會』が販売された平成12年あたりから。
この増刊号の発行によって、一般的なオールドバイクの愛好会「旧車会」と、暴走族仕様のバイク愛好家のグループ「旧車會」の区分が進むと同時に、その存在が広く知られるようになったことで、全国的に多くの旧車會チームが結成され、“旧車會ブーム”の到来にもつながっていった。
当時は完全に暴走族が大人になっただけの反社会的組織とみなされることも多かった。
周知が進んでいない部分もあり、現代でも暴走族と旧車會は同じような位置づけとして見られている場合もある。
どういうバイクに乗っていたら旧車會なの?
旧車會と名乗るからにはやはり個性いっぱいの族車にまたがってなんぼ。
ベース車両の基本は、70年代から80年代に暴走族の間で人気となったバイクが一般的。三種の神器といわれるアップハンドル・三段シート・集合管などの改造で、個性いっぱいの族車仕様にするのが定番のいじり方だ。
年代や地域、所属するグループの仲間によっても違うが、バイクのタイプとしての基本はネイキッド。
ネイキッド(英: naked bike)とはオートバイの1ジャンルのひとつで、カウルを装備していないオートバイのことを指す。
大人の趣味としてのバイクカスタムなので、外装ペイントやホイール、ハンドルなどのパーツにもお金をかけてしっかりカスタムするのが王道だ。
パーツのメッキ加工やエンジンチューンなどにしっかりお金をかけるのも、リアル暴走族にはない、旧車會ならではの楽しみ方だろう。
暴走族のバイクは車検証の所在もあいまいなケースが多いが、旧車會の場合は車検証は必須。合法的に入手するためプレミアが付いているケースもあり、ベース車の購入費として100万円を超えるケースも少なくない。
次のコーナーでは、具体的に旧車會で人気のバイクと、さらにそのベースとなった暴走族で人気だったバイクをピックアップしていこう。
具体的に旧車會ではどんなバイクが人気なの?
旧車會で人気のバイクは、当時暴走族の間で人気だった車種が多い。
当時、いじりたくても出来なかった甘酸っぱい記憶のバイクや、手に入れたくても財布の中身と折り合いが付かなったバイクなど、大人になった今だからこそ手に入れたいバイクが多い。
そんな大人たちから支持が高い旧車會で人気のバイクを10種類ほど挙げてみた。
旧車會に人気のバイク十傑
Honda CBX400F
旧車會では地域・世代を問わず圧倒的な人気を誇る、CBX400F。中古車ショップでの車両販売価格は100万円を下らないお宝バイクで、発売当時も爆発的に売れた車種ということもあって旧車會の代名詞的な存在となっている。運転しやすい、壊れない、などの利点に加え、旧車會では欠かせない『コール』が切りやすいバイクとしても、業界内では知られている。
写真のバイクはゴールドラメがゴージャス感と大人っぽさを演出している。シックな色合いが自己主張を感じる一台だ。
生産終了から30年以上経過した現在でも中古車市場で価格高騰が続くほどの人気から中古価格の相場が新車販売価格の倍近い100万円前後、コンディションの良い車両だと300万円以上の値段がつく加熱ぶりである[6][7]。この人気から全国的に車両盗難が相次ぎ件数も通常の約3倍と突出していることから、本モデルは損害保険会社に盗難保険への加入を拒否される異例の事態となった[6][7]。
SUZUKI GS400(E・L)
CBXと並ぶ2大人気車種ともいえる存在が、このGS400。独特な重厚感のある吸い込みエンジン音と、高いデザイン性が人気の秘訣だろう。族車としての人気は関東で高く、旧車會でも関東圏で、より高い人気を誇っている。
写真の車両はパープルと白の配色が艶っぽい女性らしさを感じる。
GSちゃん今日もイケイケだぜ❤️#GS400 pic.twitter.com/YL6wQPUuFJ
— 鶴巻 蓮 (@REN_Gs0811) April 11, 2019
Honda HAWKシリーズ
業界内では「ザ・不良のバイク」と呼ぶ人もいる、“バブ”ことホークシリーズこそが、旧車會を代表するバイクだという人は少なくない。
徹底的なコストカットの影響で、250と400、前期型(T型)と後期型(N型)がすべて同じフレームを採用。エンジン乗せ換えや外装チェンジなどが自由に行えるのも人気の秘訣だろう。
SUZUKI GT380
族車が好きなら知っててほしい、レジェント族車の通称"サンパチ"。旧車然とした佇まいながら、エンジンはトラブルが少なく走破性も高い。
2スト3気筒のエンジンが奏でる爆音は、旧車會の重要な要素のひとつ「コール」に向いていることもあって、その人気もやはり高い。
常に誰もやってない事に挑戦するから
面白い?✨#GT380
?ファイヤーパフォーマンス?
旧車會.com#公道での使用はNG#レース用部品です? pic.twitter.com/yGtU3BdTw7— ステッカー専門店 旧車會.com NM5_公式 (@kyushakai_com) January 9, 2019
Honda CBR400F
旧車會バイクの“王様”CBXの進化系エンジンを搭載していることもあって、「CBXの代用」という見方をされていた不遇の時代もあったCBRだが、角パイプフレームなど現代のバイクにも通じるスタイルとコール向きの爆音エンジン搭載機ということから、「むしろCBRが好き」というファンを獲得するに至っている。
写真のバイクはNIKE(ナイキ)とOFF-WHITE(オフホワイト)がコラボレーションしたスニーカーのデザインを外装に落とし込んだ、『高旧車』という仕様のCBR。
SUZUKI GSX400E
GS400の後継機でもあるGSX400E。生産期間の途中に一度、大幅なモデルチェンジがあり、前期は「ザリ」後期は「ゴキ」とパンチのあるあだ名がついている。
“吸い込み”というエンジンの吸気音でコールができる(通常は排気音)GS同様、GSXも吸い込みコールができることから、それぞれ一定の人気を保っている。
YAMAHA RZ250&350
ヤマハ最後の2ストロークスポーツモデルとして名高いRZ250&350。どちらかというと、峠を攻めるローリング族に人気のマシンだったが、族車のベースとしても人気だ。
RZの魅力は、なんといっても取り回しの良さとスピード感。加えて、近年ではコールマシンとしての注目度も高まっている。
YAMAHA XJ400
XJ400は、ヤマハらしい洗練された上品さを感じる一台。昭和の中型4気筒バイクブームのなかではCBXに次ぐスペックの高さを誇っており、さらには海外の人気ブランドを模したキャストホイールが純正で装着されるなどのスタイリッシュさも併せ持っている。
福岡連合の元総長でもある漫才コンビ・バッドボーイズの佐田正樹が現役当時に乗っていたバイクで、映画化・漫画化された自伝小説『デメキン』にも、その雄姿は度々見ることができる。
バッドボーイズ佐田原作、くっきーやケンが脇を固める映画「デメキン」DVD化 https://t.co/4GCquMk5RF pic.twitter.com/0dDsehuHQS
— お笑いナタリー (@owarai_natalie) January 15, 2018
Kawasaki KH400
スズキのGT380同様、純正では右に2本、左に1本のマフラーが出ている3気筒のバイクで、旧車會イベントなどでは、誰もが「お?」っとなる存在感がある。派手な改造をして目立つよりも、シブくキメることで逆に目立つ、大人の魅力にあふれたバイクだ。
Kawasaki Zephyr(ゼファー)
ここで、現行車からも一台。平成の族車の定番といえば、このゼファー。西風という意味を持つが、なによりネイキッドバイクを浸透させた新風ともいえるだろう。シンプルなスタイルだからこそ、様々なアレンジが利く万能選手で、アフターパーツも非常に数が多いことから、二十代の若者にはかなり人気の高いバイクだ。
ちなみに、暴走族ではどんなバイクが人気なの?
ひと口に暴走族といっても、昭和40年代のナナハン全盛期と令和では、人気車種にも大きな隔たりがある。
今回は、昭和50年代から平成初期にかけての人気車種をピックアップした。実際の画像を見てもらえば、どのバイクでどんな改造がなされていたかも一目瞭然だ!
暴走族に人気のバイクはコレだ!
Honda CBX400F
Honda CBR400F
Honda HAWK2
Honda HAWK3
Honda SUPER HAWK3
Honda CB400Four
Honda VT250
SUZUKI GS400(E)
SUZUKI GSX400E&GSX250E
SUZUKI GSX400E&GSX250E KATANA
SUZUKI GSX400F
SUZUKI GSX400FS インパルス
SUZUKI GT380
SUZUKI RG250
Kawasaki KH
Kawasaki Z400FX
Kawasaki Z400GP
Kawasaki GPz400F
Kawasaki Zephyr(ゼファー)
YAMAHA RZ250&350
YAMAHA XJ400
番外編
Kawasaki SS
Kawasaki Z250FT
YAMAHA GX
伝説の暴走族専門雑誌『チャンプロード』ってなに??
暴走族の絶頂期には、専門誌も多数存在した。
日本で最初の暴走族マンガといわれる、たいまんぶるうすを掲載していた『ヤングオート』や、DIY情報も豊富な『ライダーコミック』、そしてレディースの存在を世に知らしめた『ティーンズロード』などが、挙げられる。
なかでも有名なのが、暴走族のバイブルと言われた『チャンプロード』。
記事内で紹介した暴走族に人気のバイクの写真は、当時のチャンプロードから抜粋したもの。
創刊は平成に入ってからと、意外に後発ではあったが、暴走族チームやレディースを毎号紹介、暴走族バイクの投稿写真や、恋人募集など、『族車』紹介にとどまらない『暴走族』の専門誌だった。
暴走族の自立をインタビューする『一人前宣言』や、読者カップルの馴れ初めやナイトライフなどを赤裸々に語った『カップルにおじゃま虫』、『壱張羅自慢』、『公開!!ヤンキーの部屋』などのコーナーが人気を集めた。
初期の目玉企画は“ヤンキー界の重鎮”こと岩橋健一郎氏による暴走族のインタビュー、『爆音とともに生きる戦士たち』。
現役暴走族にとって、このコーナーに出ることはひとつのステータスであり、多くの暴走族の憧れでもあった。
その連載は20年を優に超え、インタビューの連載記事としては国内でも最長クラスと言われている。
後年は暴走族主体から、徐々に旧車會へと主体をシフト。チーム紹介の『我ら旧車會』や、旧車會メンバーでもある暴走族OBへのインタビュー『紫色の時代(むらさきのとき)』、現代の感性で旧単車をコーディネイトする『高旧車』などの企画が人気となった。
雑誌としては2016年の11月26日発売号をもって休刊となったが、現在はゲームアプリ「暴走列伝 単車の虎」内にて、「チャンプロード×単車の虎」としてさまざまな企画を無料配信中。チャンプロードの名前は、残り続けている。
現行車ってなに?
主に平成に入ってからのネイキットブーム以降に登場したバイクのことで、旧車會のなかでは、昭和生まれのバイクとは明確な線引きがなされている。
まだ玉数も豊富で価格帯もさほど高騰していないのでバイク自体にプレミアム感は少ないが、故障が少なく走っても速いなど、バイクそのものの魅力は高い。そのため、十代、二十代のバイク乗りにはむしろ人気があったりもする。
以下で、その代表的なバイクを見てみよう。
代表的なバイク
Kawasaki Zephyr(ゼファー)
平成の訪れとともに登場したゼファーは、レーサーレプリカ全盛の当時にあって爆発的にヒットしたバイク。
扱いやすく、どんなスタイルも似合ってしまうため幅広いユーザーに支持されている一台。
YAMAHA XJR
2008年まで生産をしていただけあり、圧倒的な玉数とコストパフォーマンスの高さから平成生まれの暴走族・旧車會からは人気を博しているXJR。ゼファーに比べてコールが切りやすく、女子の旧車乗りからの人気も高い。
Honda JADE
宝石のヒスイという意味のJADE。後継のバイク、ホーネットが発売され、生産終了となってしまったが、CBXにも似たルックスから、今もなお人気は高い。一部にはJADEだけの旧車會チームがあるほど。
ヘルメットにもこだわりがある?
バイク走行に必要なヘルメット。
被っていないと命を危険にさらすだけではなく、警察にも検挙されることは誰でも知っている事だろう。
バイクショップに行くとわかるが、棚には半帽タイプのコルク半からジェッペル、族ヘルと呼ばれるフルフェイスに至るまで多くのメーカーからさまざまな形のヘルメットが所狭しと販売されている。
昔はシンプルなコルク半や族ヘルを買って地道に塗装して個性をだしていたものだが、現在では、そこまで苦労しなくても手に入るほど手軽だ。
族車をこよなく愛する旧車會ではどんなヘルメットが好まれるのか。
そこには各地域によってこだわりがあるようだ。
一部を解説していこう。
コルク半といえば神奈川スタイル
旧車會は、かぶるヘルメットの種類にもこだわっている。
もっともポピュラーなのは半キャップ、なかでも緩衝材にコルクを使用した、通称“コルク半”が一般的だ。
そもそも、現在の旧車會のスタイルは、神奈川の暴走族がベースになっている。その影響はバイクの仕様やファッションなど多岐に渡るが、ことヘルメットに関して一般的だったのが、このコルク半だ。
時代によっては、現役暴走族当時はノーヘルにねじりハチマキが当然、という地域も少なくない。“交通ルールは守る”という旧車會の大原則もあって、多くが選択したのがコルク半だったのだろう。
関東圏の現役暴走族が“コルク狩り”と称して、チームに入らずにコルク半を被っている同年代の若者を締め上げる事件がたびたび発生しているが、暴走族や旧車會の関係者にとっては、それだけ象徴的なアイテムでもある。
▼コルク狩りの記事を読む
【どこでコルクかぶってんの?】都内の現役暴走族らが“コルク狩り”で逮捕される!!
ジェッペルは九州ではポピュラー
シンプルな神奈川スタイルと対照的なのが九州。
パステルカラーなど明るい色彩で、とにかく目立つ族車が多いのが特徴だ。
そして、その九州地方でポピュラーだったヘルメットのスタイルが、あごの部分がないジェットヘルメット、通称“ジェッペル”。
軽く留めた顎ひもを後頭部にあてる状態でかぶるのが一般的で、カラスマスクとセットで使用すると、目以外の顔をほぼ隠すことができる。
足元は“チョーカ”でキマり!で、チョーカってなに?
ヘルメットの次は足元。
バイクを転がす足元はチョーカが定番だ。
チョーカとは長靴(ちょうか)、ロングブーツの事を指している。この、ブーツ着用も神奈川の暴走族が愛用したスタイル。見た目のおしゃれと安全性を追求した形がチョーカなのだ。
単車に乗るときにチョーカは必須。
おしゃれにキメるのが神奈川スタイルの定番だ。
どうしてバイクに背もたれ(三段シート)が付いてるの?
族車の特徴で気になるのがシートの形状だろう。
反り返ったシートは、見るものを圧倒させるようなデザインのものまである。
だが、その三段シートはどうみてもタダのイスの背もたれにしか見えない。
後ろに乗っている人はさぞかし乗り心地が良さそうと考えてしまう程だ。
この三段シート。実はただの飾りではない。
元々は旗持ちが風圧で後ろへ飛ばされるのを防ぐためだったとも言われている。
通常は背もたれの頂点が丸くなっているが、頂点がスクエアタイプの墓石三段や、全体が半円錐状の“サソリ三段”または“トンガリ三段”と呼ばれるものまで、形状もさまざま。
バリエーションとしては背もたれが短い「チョビ三」、先端が角張った「墓石三段」などがある[2]。
暴走族が乗るオートバイ(族車)の装飾としてはロケットカウルや絞りハンドルと並んで多く見られる。
中には明らかに風圧を受けそうな天まで届きそうな勢いの特大三段シートも存在していて、1メートル20センチを超える三段シートはお化け三段、略して“バケサン”などと呼ばれている。
DIYが基本だった昔と違い、現代はパーツの一部として販売しているため安全性にも配慮されている。何かの風圧で背もたれたとしても、強度は保たれているようだ。
運転する側だけではなく、同乗者への配慮から出来た三段シートは、見た目のイカツさに反比例した、優しいアイテムといえるだろう。
なんであんなにアクセルを吹かして走るの?コールってなに?
族車といえば信じられない速さでアクセルを吹かす行為。暴走族なら威嚇の意味を込めてアクセルを吹かす必要もあるかもしれないが、旧車會では威嚇は必要ない。
旧車會では、リズミカルにアクセルを吹かす“コール”というひとつの技術体系が出来上がっている。
アクセルやクラッチを駆使してリズミカルに強弱や音程を付け、さまざまな曲やリズム感などを極めていくもので、【音職人】なる独自のステータスまで誕生している。
走りながら回転数を保ちつつアクセルを吹かす技はある意味すごい技術であるが、さらにリズム感や音程を調整するのだから、相当な練習が必須といえよう。
アクセルやクラッチ、ギアを駆使して曲を奏でたり、DJのスクラッチのように音の細かさや速さ、正確さを駆使して排気音(または吸気音)に変化を加えるものまで、同じコールのなかでもタイプは様々。
ちなみに、後者が上手い方が旧車會内では評価される。また、CBXとGSとGT380ではコールの仕方も違うなど、意外と細かいテクニックが必要な世界なのだ。
旧車會のイベントでは、「コール大会」なるものが開催され、自慢のコールを披露する場所まである。YouTubeなどでも多くのコールが聞けるので、その高い技術をより深く知ることができるだろう。
▼YouTubeで旧車會コール動画をCheck!
i-Q JAPAN YouTubeチャンネル
なるおっさんTV
四国音職人カイト
どこに行ったら旧車會のバイクは見れるの?
ここまで旧車會の魅力を伝えたところで、いよいよ現実的な話となる。
週末の天気の良い日に直接どこかのパーキングへ旧車會のバイクを探しに行くのも良いが、あきらかに警戒される。さらには知り合いでもない限り歓迎もされないだろう。
では、実際この目で旧車會の族車を間近で見れる場所は一体どこなのか。
それはズバリ! サーキットだ。
サーキットは基本どんな音量のバイクや車でも問題なく走れる場所。
肌にビリビリ来るサウンドを感じたり、コールに耳を傾けたりと一日中旧車會一色になれる。さらにはショップが軒を連ねていたり、憧れの族車を目の前にオーナーさんと会話することもできる。
比較的山間部にあることが多いが、旧車會を一度見てみたいならイベントに参加するといいだろう。
会場では、族車が一同に集まっている中、露店が出ていたりと終始和やかな雰囲気。
時間ごとに始まるイベントでは全国の旧車會の人達が自慢の腕を競っている姿を見ることができる。
実際に見に行くのであれば、東日本ならば宮城県で開催する「NM5」や、栃木で開催の「旧栃」、西日本では岡山県で開催の「旧極」が規模が大きく見に行くには最適だろう。
また、70年代の旧車四輪&二輪をメインにした展示型イベントの『富士河口湖オートジャンボリー』や、関西圏での展示型イベント「青空集改」なども、手の込んだ改造バイクをじっくりと見るには最適のイベントだ。
イベント情報はそれぞれのSNSなどでつぶやいていることが多いので見逃さないようにしたい。iQ-JAPANでも、各地のバイクイベントをレポートしている。
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執筆者:i-Q JAPAN編集部
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