ザ・旧車會仕様の外装のひとつに“羅漢カラー”がある。
この羅漢とは、横濱連合の名門チーム・大口羅漢。羅漢カラーとは、白と赤をジェロニモで塗り分けたもので、この赤の塗り分けの外周には黒いラインが入る。
当時の横濱連合はチームごとにテーマカラーを決めるという、戦国武将かはたまたカラーギャングかという画期的なシステムをすでに取り入れていて、大口羅漢のカラーリングが赤と白だった。
そしてこのジェロニモというのは今やコルク半のデザインで完全に主流となっている、上面から見たら三分割になっているデザイン。この中央部分をモヒカンに見立てて「モヒカン=インディアン=ジェロニモ」というイメージから名付けられたものと思われる。
実はジェロニモはナバポ族の酋長でインディアンではあるが、モヒカンではなかった。ただ、当時の風潮としては人気アニメ『サイボーグ009』の006・ジェロニモであったり、人気漫画『進め!パイレーツ』に出てくる助っ人外国人選手・ジェロニモであったり、時代は多少前後するが伝説のパンクバンド・ガスタンクの代表曲『ジェロニモ』であったりと、「モヒカン=インディアン=ジェロニモ」はパブリックイメージでもあった。
GSの場合はベースが白、両側面が赤という配色で、Eラインの部分に黒の縁取りがなされている。この黒いラインも込みで『羅漢仕様』ということになる。
こちらのGSはその代表例のような仕様で、白地に赤のペイントと、その周囲を黒のラインで囲むという伝統を守ったデザインになっている。さらにシートのパイピングや風防の淵もしっかり色合わせしているのが心憎い。
足回りのセブンスターキャストホイールも赤で塗装。フロントはダブルディスク化して操作性をアップさせている。BEETフェンダーも、当然羅漢カラーで塗装している。
スイングアームとトルクロッドはウエダレーシング製に換装。マフラーは三協オートの八木スペシャル管を装着している。オーリンズのサスと共に黒をチョイスし、全体の統一感を醸している。
さらに、伝統を取り入れたカラーリングながらタンクの上面には真珠湾攻撃に赴く零戦の姿をペイント。国粋主義的な主張を見事に落とし込んだ。
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