【ZOKU】 連載

【ZOKU】五代目 松仁會 【平成暴走族が往く!!】

2017年10月7日

グラフとインタビューで送る、不定期連載【ZOKU】。第二回は、茨城県で走り続ける暴走少年たち。五代目松仁會の登場だ。
暴走族のメッカ・茨城にあって、三和という街はかつて大名門チームのマッド・スペシャルが支部を置いていたことでも知られる土地。すでに現役チームとしてのマッド・スペシャルの血脈は残念ながら途絶えてしまったが、今また新たに現役のチームが鳴動しているのをご存知だろうか。

その名は『松仁會』。すでに結成からは5年以上の年月が流れており、地元のチームとしてもその名を広めつつある。現総長のRは、そんな三和の街の出身。松仁會のことは知っていたが、意外にも暴走族への憧れは、それほど強くはなかったそうだ。
「中学を卒業したあと、やることが無くて。みんなは高校に行くけど、俺は最初から高校には行くつもりはなかったし、暴走族でもやろうかな? くらいの軽い気持ちでした」

中学生ですでに逮捕歴のある名うての不良少年だったRは、同級生の連れと、やはり学校生活には馴染まなかった他校の生徒などと一緒に、チームの門を叩いた。就職先も決めておらず、何か自分をぶつけられるものが欲しかったのかもしれない。

かくして入った松仁會は、先輩たちが10人ほどいた、今どきではむしろ大所帯といっていいチームだった。
「最初のうちは態度も悪かったし、口の利き方も知らなかったんで、よくぶっとばされましたね(笑)。ただ、よそで言うような“ヤキ”ともまた、違うんじゃないかな? それほど執拗に殴られるとかではなかったから」

度を超えると体罰的に怒られることはあったが、基本的に先輩方は優しかった。Rは、それで最初は特に憧れを持っていなかったこのチームが、大好きになった。昭和の時代とは違う暴走族の在り方かもしれないが、こうした平成のスタイルも悪くはない。
ただ、数が多かった2つ上の先輩たちが18で引退、わずかに残っていたひとつ上の先輩も諸事情で18歳を待たずにチームを離れざるを得ない状況となったため、Rたちは、普通よりも1年早く最上級生となった。
「自分らも、先輩方がしてくれたように後輩には接しています。一線を越えたら礼儀は教えるけど、普段は仲良く。大きく構えて、この三和を守っていこうと。後輩殴っても、楽しくないじゃないですか」

たしかに、それももっともな話。昭和の不良少年たちが誰もみな理不尽だと感じていたことを理不尽だといえる現金さが、平成の暴走族にはあるのだ。

[foogallery id="9601"]松仁會
五代目総長・R(仮名)
まだあどけなさも残るまっすぐな瞳の奥に狂気を宿す、平成の総長。仲間には優しく、それ以外には厳しい姿勢を徹底的に貫く意志の強さを持つ。暴走族に対するプライドは誰よりも持ち合わせていると自負する。

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