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【ZOKU】五代目 松仁會 第二章【これが俺たちのリアルだ!!】

2017年10月8日

グラフとインタビューで送る、不定期連載【ZOKU】。今回は、茨城・三和のチーム・松仁會の第二弾。クールなようで意外と熱い、平成暴走族の主張を、お聞きいただきたい。
暴走族だから、本分は“暴走”。集会の頻度はかなり高いそうで、「それだけは昔のチームにも引けを取らないんじゃないですか?」と、自負する。<本来だったら“基本は土曜の夜”などの決め事があって然るべきだが、彼らにはその基本すらない。それを決めなくても、皆で走り始めてしまうからだ。

「曜日もルートも決めて走ることのリスクもあるんで、それを避けたいっていう気持ちもあるんですけど、逆にみんな走りたいから決めてなくても集まっちゃうんです。この辺は他チームと連合とかもないから、自前で走るだけじゃないですか。決める必要性を感じないというか。私服で一人で流してたら、音を聞きつけてもう一台、また一台……っていう感じで合流することもあるし」
現代風に言えば、集会のフレックスタイム制の導入といったところだろう。いまはSNSなどで仲間同士がつながりやすくなっているのもあって、時間きっかりで走り出さなくても問題なく集まれる。

「パトカーに追われ追い詰められているうちに、別の方向から追われたメンバーが合流してきて、また別のメンバーも合流して……っていう感じで、パトカーにメンバーを集められたこともありましたね。集まったし、集会すっか! っていって走り始めたこともあります」

追う側の警察も、まさかそんなことになろうとは思ってもみなかっただろう。自由に走っていたが故の、珍事だ。
自分たちが自由に走るのは、それが自分たちの庭だから。よそ者は、徹底的に排除する。

「直管の単車はもう問題外ですが、派手にLEDつけて走ってたり、ナンバー上げて走ってたりするやつも対象ですね。ビッグスクーターも例外じゃないです。目の前を通り過ぎたりしたら、こっちが一台で相手が複数でも行きます。ここは自分らの街なんで」

そうした地元意識は、今も昔も変わらない。進路をふさいでまず止める。基本的には謝ってくるそうだが、話は聞かない。そういう場所ではないことを、身をもって分からせるのだそうだ。
R の世代は、引退まであと1年の猶予がある。それまでの間に完全燃焼したいのだと、Rはいう。

「今から引退したらそのまま旧車會に入って……とか、考えられないです。今が充実しているし、自分にとって“単車に乗る”って、こうやって仲間たちと夜中に集まって走ることなんで。悔いを残さず走り切って、それでスパッと引退したい」

走りがすきだからこそ、走りを全うしたいと考えるのだろう。それはそれで尊重すべき意見だ。現役暴走族としての在り方を、彼らはかれらなりに、しっかりと考えているのである。

松仁會
五代目総長・R(仮名)
まだあどけなさも残るまっすぐな瞳の奥に狂気を宿す、平成の総長。仲間には優しく、それ以外には厳しい姿勢を徹底的に貫く意志の強さを持つ。暴走族に対するプライドは誰よりも持ち合わせていると自負する。

▼現役暴走族の主張! 前半戦はコチラ
【ZOKU】五代目 松仁會 【平成暴走族が往く!!】

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