自らタイトルを否定することになるかもしれないが、シャークマスクは福岡仕様の専売特許ということではない。他地域でもフルカウルの先端にサメ顔をペイントしているバイクはいるし、それは何もおかしなことではない。
ただ、古くから福岡で旧車會のメンバーとして活動していたオーナーのバイクにこのシャークマスクがペイントされていたことで人気のモチーフとなり、絶対数が他地域よりも多い。福岡に多いから、福岡らしさを感じるということだ。
ただし、爆発カラーはやはり福岡のお土地柄を感じさせる仕様。ポップなパステルカラーであったり、ラインや矢印を多用したりと、同じ福岡仕様のバイクでも土地ごとに特徴はあるというが、それでも全体で見たら「お、福岡仕様だ!」と分かる。表現方法は違えども、根幹の部分ではまったく外れていないのが凄いことだ。
もうひとつ凄いなと感じさせるのが、その血脈が途絶えないこと。どんどん新しい感性の福岡仕様が登場してくる。
本人たちにしてみたら「え?」という話かもしれない。「当然でしょ?」と考えているのだろうが、当時を知るミドル世代が懐古趣味で仕上げてくるのではない。新しい、若い世代が新たな福岡仕様を生み出しているのだ。
これだけ情報化が進んだ現代では、ご当地銘柄もどんどん広まって、ボーダーレス化が進んでいる。そのなかで、地元の仕様に憧れをもってバイクを製作する層がいるというのは、やはり凄いことだ。
3色のパステルカラーで彩られたジェイドも、そんな新しい世代の福岡仕様の一台。スカイブルーとピンクにイエローを差し色で加えた爆発カラーで、カウルにはシャークマスクも描かれている。
サンダーラインに加えて三段シートやホイール、フルカウルのシールドなど、ポイントになる個所には黄色を用いてアクセントに。コントラストが強いので、全体的には引き締まって見える。
本来、攻撃的なデザインのシャークマスクは瞳をハートマークにすることでユニークさを出した。コルク半の“ネコ型ロボット”も同じハートの瞳になっているのも面白い。
ユーモラスな姿ではあっても、BEETのシャークエアロやアンダーカウルを装着して塗装面を増やしたり、三段シートの高さをメートルクラスまで掲げたりと、やっていることはかなり手が込んでいる。
フルカウルは若干高めに掲げて、ヘッドライトをデメキンにしたスタイルも福岡らしさを感じさせるものだ。
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執筆者:i-Q JAPAN編集部