こちらのCBR400Fは6月20日に開催された「プロジェクト乱」の会場で撮影したものだが、実際にこの状態のバイクを見て、「おおお?」という驚きがあった。
その少し前に見かけたときには、もっと普通の状態で走っていたからだ。
カスタムバイクのイベントで「普通」といっても分かりにくいが、カウルも低位置にセットされていて、さらには竹やりマフラーも装着してない“旧車會仕様としては”オーソドックスなルックスの状態だったということだ。
兄弟車として、同じ外装で一台をオーソドックスに、そしてもう一台をブチアゲにしているのかとも思ったが、そうでもない。
当日、現場である程度の走行を行ったのちに仕様変更を行っていたようだ。
考えてみれば、ゾウッパナを延長すればブチアゲにはなるし、差し込み式にしてしまえばマフラーも上に伸ばすことは可能だ。ただ、カウルはゾウッパナを延長するためにはライトの配線をどうにかしないといけないし、剛性を保っていないとバランスが保てない、グラつく、ユルむ、回る、折れるなどなど、そう簡単な話ではないハズ。
それは竹やりマフラーにしても同様で、簡単に差し込めるマフラーは簡単に外れる。一日のイベントで見栄え重視なら排気漏れくらいなら大目に見るとしても、万が一にもマフラーが外れるようなら大問題。最悪、人身事故にもつながりかねない。
そうした問題が発生しないよう、通常は事前に下準備をしたうえで会場にバイクを持ち込んで、コースを走らせるのだ。
諸々の問題を踏まえたうえでの「おおお?」なのだが、実際に見たブチアガッた状態のCBRは、各所の処理がしっかり行われていた。
カウルのブチアゲは、配線についてはコードを外して、いつでも元に戻せる状態に。多少面倒ではあるが、抜き差しするだけだから時間さえあれば元には戻せる。ゾウッパナ自体も太めのパイプを使うことで剛性を確保。角度や長さについてはさすがに事前に調整していたようで、ルックス面での不自然さは感じられなかった。
さらに竹やりマフラーも、ステーやねじ止めなどを行い安全な状態をキープ。サンダーラインの形状がお祭り仕様の高揚感を感じさせる。延長部分だけ赤く塗装されていて、根本と色が変わっているが、そこはお祭り仕様でご愛敬だろう。
下準備さえしておけば、イベント会場でも一台で二通りの楽しみ方ができる。理屈では誰もがわかっていることだろうが、実際にそれをしているバイクがあるのは意外と画期的なことじゃないだろうか。
もちろん、仕様によっては簡単に着脱ができないケースもあるだろうし、大がかりなブチアゲでは取付するだけでも大変なケースもあるのですべてのバイクに当てはまるものではないが、イベントの楽しみ方のひとつとして、こういった仕様はアリではないか。
ブチアゲに心血を注いでいる方の場合はまた意見も違ってくるだろうが、それでも“入口”は必要だ。
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執筆者:i-Q JAPAN編集部