新型コロナウィルスの蔓延による巣ごもり特需で市場価格が跳ね上がった旧車バイク。海外からの船便もほとんどがストップし、一時的に車両が枯渇したのも原因のひとつだが、混乱に乗して個人のオーナーがヤフオクなどに出品し、ショップ価格とほぼ同額での出品を行っていたことで底値が飛躍的に跳ね上がった。
ショップでの販売価格と個人売買でのそれが異なるのは、当然のことだ。整備・動作確認を行い、トラブルが発生しやすい何十年も前のバイクを極力トラブルがない状態で販売するのは、素人では到達できない「安全」「安心」という目に見えない付加価値が含まれている。
しかし、この目に見えない付加価値というのが意外と厄介で、価格が高騰気味かつ“タマ”が少ないという飢餓感から、この目に見えない部分を一旦排除し、「まず現物を手に入れよう」という思考が先に立ってしまう。
さらに「とはいえ意外と壊れない」「意外と自分たちでも修理できる」といった誤った認識を持つことで、この付加価値に目をつぶってしまうことも増えていたのではないだろうか。
それがコロナ禍が沈静化し、“タマ”が戻ってきたことにより急騰していた市場価格にも落ち着きが戻ってきている。
CBXを例にとってみると、コロナ禍で平均が250～300万円にまで上がっていた市場価格が、個人売主ではあるが400Fで150万円台、550だと100万円を切るまでに落ち着いてきている。
中心価格帯は現在でも200万円を超えるが、「探せばモノはある」状態にまでは戻っている。基本的に下方修正はないのが中古車市場だが、一時の過熱状態を経て、適正価格帯に戻っているのが現状なのだろう。
細部の部品では欠品も増えており、希少価値が高いバイクであることには変わりはない。大幅に価格が下落することも考えにくいため、あとは予算と現物が市場に出回るタイミング次第ということになりそうだ。
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