暴走族の減少が囁かれて久しいが、なかでも広島県は徹底的な排除作戦によって2015年には『暴走族ゼロ宣言の街』宣言を行ったことでも知られる暴走族が皆無の街だった。
ところが2020年ごろから県内を暴走するバイクが増加。SNS暴走ではなく、チーム名があって、固定メンバーがいること。メンバー内に序列があり、指揮命令系統もしっかりしていることなど、広島県が定める暴走族追放条例の要件を満たすグループだったことから、これを暴走族と認定した。
それが「羅刹」というチームだ。
この羅刹というチームは旧来の暴走族と平成・令和の“暴走グループ”の特徴を併せ持っている。先に述べたようにチーム内に序列や指揮系統も存在しながら、実際に暴走行為を行う差にはチーム外からの参加も認め、むしろSNSなどでメンバーを集めたりもしている。
特攻服どころか“鉄の掟”のようなものも存在しないかわりに、幹部が一声かければ20～30人からのメンバーを招集することもできる。実態が掴みにくく、取り締まる側の警察としては厄介な存在だろう。
広島県警としては「市民に危害が及ぶ前に組織を解体したい」として、サイバーパトロールを強化して事前に集会の情報を把握したり、通報や防犯カメラなどの情報からメンバーの割り出しを進めているようだが、SNSで参加した“ゲスト”がいることで、逆に特定が難しくなっているようだ。
メンバーは150人とも200人とも言われている。昭和の時代ならまだしも、10人いれば大所帯といわれるこの令和の時代に、これだけの人数が揃うだけでも凄いこと。意外と緩そうな印象もあるが、統制力も相当高いといえそうだ。
しかし、この羅刹は20代前半のリーダーが「もう暴走はしない」「これからはギャングを目指す」という発言をしているとも言われ、今後の動向に関しては不透明。
このチームについては、機会があればあらためて触れてみたい。
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