時々、外部の一般メディアから「年代によってスタイルに違いはあるんですか?」と、尋ねられることがある。年代による違いはあまり無いが、地域による違いはかなりある、と答えることにしている。
70年代と80年代だと暴走族のスタイルにも違いはあるが、80年代なかば以降、暴走族のスタイルに大きな変化は無いといっていいだろう。「特攻服の刺繍が増えた」とか、そのくらいではないか。
理由として考えられることはいくつかあって、暴走族とは伝統と様式美の世界でもあるので、先輩から受け継いだスタイルを重んじる風潮がある。それゆえ、革新的な変化は好まない傾向にあるのがひとつ。
そして地域ごとのスタイルは、その土地柄によって決定されるもの、という点がもうひとつの理由だ。
道路事情や気候、取り締まる側の事情などで、できることは限られてくる。極端な例だが、上にも横にも幅を取る九州のブチアゲ単車を神奈川で走らせるのは至難の業だし、逆に神奈川仕様のバイクを九州に持って行って人一倍目立てるかといったら、これも難しい。
やはり注目度も発信力も高いバイクに乗りたいのが心情というものだ。そして九州で伝統のスタイルと言えば、爆発カラーで異論はないだろう。
九州、特に福岡や佐賀、長崎など南九州にその伝統は色濃く残っていて、北九州と博多、筑後、筑豊など地域によってもデザインは異なるというが、大きなくくりでは平成・令和と続く時代のなかでもその伝統は守られている。
こちらのXJRは筑豊地区のバイク。以前はもっとオーソドックスなスタイルで乗っていたが、「一度は派手なバイクに乗ってみたい。ならば爆発カラーだろう」と、塗装が特異な友人にも協力してもらいながら、このカラーを仕上げたという。
ベースカラーは黄色。その上にスカイブルーと赤、青緑のラインと星を加えた幾何学模様を作り上げた。ラインやパターンなどで塗り分けず、全体をトータルでデザインするのも九州爆発カラー独特のスタイルだ。
カウルからライトが前に出るデメキンスタイル、ライト下からは外装と同色の水色&青緑のダミーホースが出ている。四輪のスタイルを踏襲しているのも面白い。
リムは赤、スポークは黄色と足回りも2色で塗り分けて、ボディカラーに負けない派手さを保っている。
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執筆者:i-Q JAPAN編集部